さあ、身代わり山羊の祭《カーニバル》の始まりだ!





生贄は何処だ?




弱者《群羊》に混じったとしても、傷つけるもの《角》で判る。

隠した者が次の山羊だ。

羊に角をつければ山羊となる。

祭壇は遠く、誰もが見やしない。

何故ならそれが狂乱の祭《カーニバル》だからだ!



ん?




狂っているのは誰だ?


私か


君か


それとも、世界の全てか?



どちらでも良いじゃないか。



今日という晴れがましい日に“真実”などという無粋なものは不要!

祭壇に昇った者が羊なのか山羊なのか。

それを知る必要はないのだから!




さあ。手を取りたまえ。

饗宴への招待状だ!
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