短文詩
前向きな詩〜後ろ向きな詩まで。
ジャンルはさまざまです。
[ 01 :生きる ]
何で、心なんてあるんだろう
持っていなければ
何も感じずにすむのに
君の悲しみ
僕の苦しみ
どうして、人は心を持って
生まれてくるのだろう
どうして、人は心を持って
行きていくのだろう
君の呟き
僕の囁き
痛いのに
こんなに心が痛いのに
どうして、人は心を捨てきれないのだろう
持ったままでいるのだろう
君も 僕も
心を持って生きているのだろう
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[ 02 : そして。朝が来る]
明日というものは、時計針が12時を指した時にやってくるのではなく、朝日と共にやってくるものだということを体験として知っている。
朝が来る。
それだけで、すべてが始まるような気がするのは、昇り来る光に期待をしているからだろうか。
曇りの日でも、雨の日でも。
世界が始まる。
それは心地よい絶望と淡い希望に満ちているのだろう。
暗かった世界が光に照らし出され、私は浅い眠りに身を任す。
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[ 05 : 世界と絶望と君と]
世界の淵から、君を待つ。
君が
君が
君が
いつの日にか、僕に気がついてくれるんじゃないかと。
君が優しく手を差し伸べてくれるんじゃないかと。
君が 君が 君が 君が
やがて、ここにたどりついてくれるんじゃないかと。
幻のように、夢のように、待っている。
世界の淵で、つま先立ちをして。
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[ 09 : 言葉を胸に]
あの日 見上げた空の色は
忘れてしまったけど
隣にいた君の言葉は
まだ 覚えている
息の仕方のわからなくなる
世界で
君の言葉が僕に勇気をくれる
陳腐で平凡なセリフかもしれない
僕はその言葉を胸に
未来へと向かっていく
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[ 11 : 祈る]
幸せに
どうか どうか 幸せに
共に歩くことはできないから
祈らせて欲しい
ただ一人の 大切な君だから
幸せに
どうか どうか 幸せに
何千回でも
何万回でも
祈るよ
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[ 19 :幸福探し]
幸福を探しに行こう
君の気がすむまで
僕は付き合うよ
どこまでも いつまでも
探しに行こう
幸福を手に入れた
君の笑顔を一番に見たいから
僕は付き合うよ
どこまでも いつまでも
探しに行こう
幸福はどんな形をしているのかな
幸福はどんな色をしているのかな
幸福を探しに行こう
君の気がすむまで
僕は一緒にいるよ
どこまでも いつまでも
傍にいるよ
夜に星という名前のランプがあるように
君の道を照らせるように
幸福を手に入れた
君の笑顔が僕の幸福
僕は僕のために
どこまでも いつまでも
歩いていくよ
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[ 20 :カラカラ]
歩くのに疲れて
立ち止まった
死んだ魚のようなレンズに
空が映って 移って
色が移って 映った
ああ 心がカラカラだ
ああ 体がカラカラだ
空洞になったモノに
満ちた空が入りこむ
歩くのに疲れて
たどりついた
取り残された水たまりのような鏡に
空が映って 移って
色が移って 移った
ああ ここは満ち満ちている
ああ 変わらず満ち満ちている
殻のビンが空に満たされる
空のビンがめいっぱいになる
歩くのに疲れて
立ち止まった
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[ 21 :喪失]
喪っても、また探すもの。
失っても、また求めるもの。
喪失していく運命に、挑戦し続ける。
探求こそ、人間にかせれられた命題。
解けない謎掛け《リドル》のように。
溶けない蝋燭《キャンドル》のように。
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[ 22 :幸せ紡ぎ]
幸せ紡ぎ
楽しかった記憶を拾って集めて
楽しかったカケラを集めて紡いで
織り上げる
幸せ紡ぎ
楽しかった記憶だけ集めて纏って
楽しかったカケラだけを纏って見せて
ねえ、キレイかしら?
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[ 23 :地球の音]
耳を澄ませば、地球が自転している音って聴こえるのかな?
それはどんな音に似ているんだろう?
星の瞬きが鉄琴の切ない音に見えるように、地球に流れる音楽は甲高い金属の音に似ているんだろうか。
それとも命のように鼓に似ているんだろうか。
それとも、何にも譬えられないような音をしているんだろうか。
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[ 24 :裏切り]
世界が彼を裏切ったのか。
彼が信じていたものが幻想にすぎなかったのか。
それとも彼自身が世界を裏切ったのか。
あるいは、世界という認識が共通のものではなく、かみ合っていなかったのか。
ズレ幅が大きくなり、それが裏切りという主観につながったのか。
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